【風俗営業許可・深夜酒類】賃貸契約と許可名義人が違う場合のポイント

風俗営業許可や深夜営業のお店で賃貸契約の名義人と許可名義人が違うケースは結構あります。

例えば賃貸契約の名義人はA会社であるのに、許可名義人はA社の社長さん本人であるなどのパターンです。

この場合、社長さん本人では賃貸契約が結べない(賃貸人からのOKが出ない)ため、A社で契約を結ぶというものです。

ただしこの場合は行政手続きの完了までを念頭に入れておかないと最悪な場合賃貸契約のまき直しなどもありますので、ここでしっかりとおさえておきましょう。

 

賃貸契約と許可名義人が違う場合

賃貸契約と許可名義人は一致する?

結論を言えば賃貸契約の名義人と許可名義人は違ってもなんとかなりますし、当事務所の案件でも何度も何とかしてきています。

 

ただし、本来の形は

賃貸契約の名義人=許可名義人

であるのが行政側の認識だということをおさえておきましょう。

 

そのテナントを借りる人が許可名義人になる、これが行政からすれば当たり前の図式なのです。

当たり前でしょう。

賃貸契約の名義人と許可名義人が全くの別であれば、どこに名義貸しが潜んでいるか分かったものではありません。

名義貸しの立法趣旨からもここをザルにしておく理由はないということになります。

 

名義が違う場合とは?

ただし、多くのナイトビジネスの名義は賃貸契約と実際の許可名義人は違うことも少なくありません。

賃貸契約は大家が保守的なことも多く、ある程度の実績がないと賃借できないことも多いです。

こうなるとスタートアップの起業者では賃借人になれず、だから別の企業が賃借人になるというパターンです。

 

また、賃貸契約を結んだはいいけど、風営業務のリスクを検討すると許可名義人にはなりたくないというパターンも多いです。

 

例えばとある芸能人が、友人がお忍びで通うようなスナックを開業したいとしましょう。

この場合に本来であればその芸能人本人が許可名義人になりたいと考えても、いろいろ検討するとやっぱり慣れないということも多いです。

 

つまり、スナックの営業で風営法違反があり、これで万が一摘発を受ければ芸能生活の存続にもかかってくるからです。

 

このような場合は店長さんを許可名義人にしようとなるのですが、賃貸契約は店長さんでは結べないからその芸能人が賃貸契約の名義人になる、というパターンです。

 

何が不都合なの?

賃貸契約と許可名義人が違うことによるデメリットは、なんといっても警察の手続きではじかれてしまうということでしょう。

警察の窓口は賃貸契約の名義人はイコール許可名義人だと思っています。

にもかかわらずこれが違うとなると、まず疑うのが名義貸しです。

 

だからこの場合は使用承諾書といって、大家さんが許可名義人に風俗営業や深夜営業をすることを認めますというペラ一枚の書類が必要になってきます。

 

ただし、このペラ一枚を渋る大家はけっこういて、ここで躓く場合が案外多いのです。

 

「なんだ、俺はAさんだから貸したのに、なんで許可名義がBさんなんだ」

 

こういう大家はいるところにはいるものです。

 

たいしてAさんに思い入れもないのにちょっと賃借人がリクエストをすると大騒ぎする大家です。

 

ただし大家の協力がないと使用承諾書はもらえませんし、使用承諾書がもらえないと警察の手続きが完了できません。

ここは押さえておきましょう。


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