デリヘルの許可とは?無店舗型性風俗特殊営業の手続きのポイント

デリヘルの許可は、風営法上「無店舗型性風俗特殊営業」と呼んでいます。

 

風俗営業というとどうしても

「風俗イコール性風俗」

とイメージをする人が多いかもしれません。

 

しかし実際は風営法の中でも文字通り特殊なカテゴリーに属する営業で、

条文の構成を見てもややマイナーな扱いになっています。

 

ただし性風俗は生身の人間が直接触れ合うためキャストさんからすれば危険も多く、

営業者さんはできれば開業前にしっかりとした知識が欲しいものです。

 

デリヘルの許可とは?

許可ではなく届け出

まず、ここではデリヘルの許可と一括りに読んでいますが、

実際には許可ではなく届け出という体裁を取っています。

 

一般的に届け出は許可に比べて軽微なものが多く、

提出したらハイ終わりというイメージの人は多いかもしれません。

 

しかし実際には、これは性風俗を許可制にしてしまうと

国家が性風俗を真正面から認めることとなるため、

これをあいまいな形にしておくための折衷案となっています。

 

そのため届け出だからと手続きそのものを軽く考えてしまうのはお勧めできません。

 

何が該当するのか?

まずしっかり押さえたいのが、風営法ではどのようにデリヘルをとらえているのかを知りましょう。

これは風営法の2条7項1に記載があります。

 

人の住居又は人の宿泊の用に供する施設において異性の客の性的好奇心に応じてその客に接触する役務を提供する営業で、

当該役務を行う者を、その客の依頼を受けて派遣することにより営むもの

 

となっています。

つまり、性的好奇心に応じてお客に接触するものが該当するととらえているのです。

おそらく多くの方は射精をさせれば性的サービスでそうでない場合は性的サービスではないとお考えかもしれません。

 

しかし実際の条文を検討するとどこにも射精するとかしないとかのラインはないし、

①性的好奇心に応じるかどうか

②接触するかどうか

がこの二つが該当要件であることがわかります。

 

つまり、性的好奇心に応じているけど射精まではさせない、という業態では、

風営法上はこのカテゴリーに該当する、ということになるのです。

 

建物の所有者からの承諾が必要

デリヘルの許可手続きで最もハードルが高いのが、建物の所有者からの承諾が必要だということでしょう。

「デリヘルの事務所として使用することを認めます」というペラ一枚の確認書です。

 

提出書類に建物の登記簿がありますが、この登記簿上の所有者を必ず確認されます。

そして使用承諾書はこの所有者からのものでないといけないことになっています。

 

気をつけたいのが建物の大家さんから不動産管理会社に委託をされていて、

完全に大家さんは賃貸契約に携わらないパターンも多いということです。

 

この場合であっても必ず登記簿上の所有者からの承諾が必要だということをしっかりとおさえましょう。

 

また、普通の賃貸物件ではデリヘルの事務所として使用することは嫌がります。

一般的な事務所物件であればほとんどの場合は承諾をもらえません。

 

この場合は最初から風俗承諾物件といって、予め承諾をすることを明記してある物件を借りるのが無難です。

 

又は分譲マンションであればその部屋の区分所有であっても許可は取れますので、こちらも検討ください。

ただし分譲マンションであっても普通は規約に風俗関連のビジネスは禁止をされていることがほとんどです。

万が一トラブルになった場合のリスクもあらかじめ検討するべきでしょう。

 

 

無店舗型とは?

さらに押さえておきたいのが無店舗型のキーワードです。

これは例えば箱ヘルのように店舗を設けなければイコールデリヘルだろうとお考えの方は案外多いかもしれません。

 

しかし実際にはもっとふかく検討する必要があります。

 

例えばデリヘルとうたっておきながら特定のマンションの一室でサービスが行われたとしましょう。

こうなると表向きはマンションの一室に派遣をするというように見えなくもありませんが

実態として店舗型となってしまいます。

 

また、レンタルルームやホテルなどと提携をして

特定の部屋にお客もキャストも派遣するのも実態として店舗型性風俗となってしまいます。

 

ということはお店側が「~ホテルでお願いします」と特定をするのは法律上危険だということになります。

 

これは裁判例でもはっきりと結論が出ていますのでしっかりとおさえておきましょう。

 

受付所は設けられない

東京都の場合、現行の制度では受付所は設けることはできません。

一部の区域では許容されていますがほとんどの場合は何らかの理由で届け出は受理されません。

 

また、先ほどと同様の理屈で、例えば風俗案内所の手続きで、

実態は同じお店に案内していたなんてのも、これでは受付所と何ら変わりがないと判断されます。

 

つまり、ある程度のお店の中からお客が選ばないと

実態として受付所とみなされる可能性があるということです。

 

実際の手続きは?

では、ここから実際の手続きを見ていきましょう。

まず窓口は事務所のある場所を所轄する警察署になります。

 

キャバクラやホスト部などの様な風俗営業1号とはちがって立地の制限はありません。

また、欠格事由といって過去に犯罪を犯した人でも届け出は受理されます。

 

さらに届け出から10日後には営業を開始できますので

風俗営業1号などと比べるとかなり規制は緩いといえます。

 

立地の制限はない?

では、立地の制限がないとしても、どこでもできるのかと言われればやや誤解がありますので補足をします。

まず、第一に建物の所有者がその部屋をデリヘルの事務所として使うことを認めないといけません。

建物一棟の所有者であればその所有者、区分所有であればその区分所有者の承諾ということになります。

 

厄介なのが所有者が複数いる場合には、所有者全員の承諾が必要だというところです。

 

また、あなたが建物の所有者であれば特に誰の承諾も必要ないということになります。

 

ただし、これは誤解をさせてしまうと申し訳ないのですが、

事務所であれば当然キャストさんが多く出入りすることになります。

見た目で何となくわかる人は分かるもので、これを例えば家族世帯の人が見たらいい気はしないものです。

 

そこで

「あそこの部屋は規約違反をしている」

とタレこまれたら最悪な場合立ち退きの可能性もあります。

 

大抵の物件には規約上風俗営業としての使用は禁止をされていますので、

仮に警察の許可が取れたとしても継続はできないとなることもあります。

 

欠格事由がない?

風俗営業許可は欠格事由といって例えば

「過去に風営法違反で処分を受けた場合は執行から5年間は風俗営業許可が取れない」

というシステムがあります。これを欠格事由といいます。

 

性風俗特殊営業は届け出なのでこの制度がなく、

ということは欠格事由に該当しても営業そのものはできるということになります。

 

本番行為はできない

日本には売春防止法があるため、デリヘルの許可では本番行為はできません。

営業者として気をつけたいのが、キャストが勝手にやったから俺は知らないというスタンスは取れないということです。

 

キャストさんもお茶引くのはいやだし、稼ぎたいからという理由で本番行為をする人はいるかもしれません。

また、男性客の強引な押しにおされてやむなく本番行為をしてしまうということもあるでしょう。

 

この場合に密室で行われたことだから俺は知らない、というのでは営業者としてあんまりです。

 

自分は物理的にも法律的にも安全なところにいながら、キャストには散々危険な目に合わせておいて、

挙句の果てにはお前が勝手にやったことだで終わらせるのでは、少なくとも私は応援はしません。

 

必要書類

では、ざっくりとどのような書類が必要になるのかを見てみましょう。

正直に言うと都道府県で必要書類はかなり差があって、埼玉県は必要書類も多く審査も無駄に厳しいです。

逆に神奈川県と東京都は厳しさは感じたことはありません。

 

・届出書

→各都道府県の警察のホームページからダウンロードができます。

・個人の住民票(本籍地記載、発行から3か月以内のもの)

・事務所が自己所有の場合→建物の登記簿謄本

→自認書が必要な場合もあります。

・事務所が賃貸の場合  →賃貸借契約書、大家さんの使用承諾書

→登記簿の所有者からの使用承諾書が必要になります。

 

【待機所を設置する場合】

・待機所が自己所有の場合→建物の登記簿謄本

・待機所が賃貸の場合  →賃貸借契約書と大家さんの使用承諾書

 

・事務所、待機所の平面図

風営法用の図面が必要です。

・ホームページで宣伝・広告する場合はURL等

その他、別途必要になる書類がある場合があります。


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