こんにちは。行政書士の前場です。
おそらくこのページを読んでいるあなたはスナックを開業しているか、あるいはこれから開業を考えているのかもしれません。
では、実際にスナックを開業するにあたって、何から始めるのがベストだと思いますか?
・資金集め
・物件の契約
・キャスト集め
・許可申請
これらのひとつひとつもちろん大事ですが、もっと大事なのは、開業までの大体の流れを知ることですよね。
資金集めも物件の契約も、求人も、それぞれにコツはあるかもしれません。
しかしこれら一つ一つはできても、それらがばらばらの知識だとどのタイミングでやってのかわからなくなってしまいます。
この中でも最もかなめになってくるのは、許可申請です。
というのも、許可申請は物件の契約や求人などの多くの案件に絡んでいるのです。
そのためまずは許可の仕組みを知らないと、ほかの求人や資金集めができても期間が無駄になったり、最悪な場合開業自体が先延ばしになる可能性があります。
そこでここではスナックの開業時に必要になる許可申請を大きく二つのパターンに分けて解説して、メリットとデメリットを見ていきたいと思います。
Contents
スナックの営業許可とは?
二つの許可があります
スナックといっても様々なスタイルがありますよね。
席数も違えばお店のテーブルも違うし、営業スタイルもいろいろあります。
その中で知っておきたいのが、あなたのお店の接客スタイルです。
・がっつり特定のお客に接客して、キャストさんがお客さんにお酌したりカラオケのデュエットをする
・水割り程度は造るけど、特定のお客にはつかずにママ一人が多くのお客を接客する
・バーの延長の様なスナックで、カラオケも置かない
・カウンター以外にボックスもあって、そこで一緒に座って飲む
これらのうち、どれかあなたのお店のスタイルに近いとかありましたか?
この辺りでうすうす気づいていると思います。
これらは”接待行為”をするかしないかでこのあとの手続きが大きく二つに分かれてきます。
そして、接待行為を行う場合(がっつり接客する場合)は風俗営業許可1号、そうでない場合は深夜酒類提供飲食店で営業許可申請を行うことになります。
これは経験上、多くの場合は、スナックは深夜酒類提供飲食店で手続きすることが多いですね。
深夜酒類提供飲食店とは?
深夜酒類提供飲食店は風営法上の手続きの一つで、深酒とか深夜営業許可とか呼ばれています。
スナックって、当然お酒を提供しますよね?
そして、ほとんどのお店は深夜0時以降も営業することが多いと思います。
この
深夜営業+お酒を提供するお店=法律上、深夜酒類提供飲食店になる
これをおさえてください。
「なんだ、じゃあ私のお店は深夜酒類提供飲食店の手続きをすればいいのか」
と思ったあなた、もう少し待って下さい。
この深夜酒類提供飲食店は、大きな一つのポイントがあります。
それが「接待行為はできない」これに尽きます。
接待行為ができないということは
・カラオケのデュエットはできない
・お酌をしたり、親密に談笑はできない
・お客と一緒に座って飲むことはできない
これらのデメリットがあります。
おそらくここで多くの人は「そんなんじゃスナックなんて営業できない」と思いますよね?
そこでもう一つ、風俗営業1号営業という許可がありますので、そちらを検討してみましょう。
風俗営業許可1号「社交飲食店」
では、スナックでもカラオケのデュエットをするし、ボックス席があるのでお客と一緒に座って飲むこともあるとします。
この場合に検討するのが風俗営業許可です。
この風俗営業許可はいくつかに分かれていて、この場合は「社交飲食店」といって、1号営業許可になります。
最近ですと接待飲食店とか接待を伴う飲食店とかとも呼ばれていますよね。
この風俗営業許可を取得することで
・カラオケのデュエットができる
・お酌をして、親密に談笑ができる
・スキンシップをすることができる(手を握る、体を寄せるなど)
・お客と一緒にゲームをすることができる
などのメリットがあります。
これらができればとりあえずスナックの営業では困ることはないですよね。
ただしこの風俗営業許可を取得することには大きなデメリットがあります。
このデメリットがあるからほとんどのスナックは風俗営業許可で営業はしないで、深夜酒類提供飲食店の手続きをすることになります。
そのデメリットとは営業時間に制限があることです。
ほとんどの自治体では深夜0時まで、また、東京都の繁華街ではおおむね深夜1時までとなっています。
「そんな、それじゃあ一番の売り上げがあがるときにお店を閉めなきゃいけないじゃないか」
となりますよね?
だからみんなここで悩むんですよ。
これ以外にも、風俗営業許可は
・申請から許可までに2か月かかる
・許可が取れる場所と取れない場所がある
・大家さんの承諾がないと許可申請できない
などのデメリットがあります。
まとめ:結局どちらを選べばいいの?
ここまでで、スナックの営業許可には深夜酒類提供飲食店の手続きと風俗営業許可の二つがあることがわかりました。
ただし、実際にはどちらもメリットとデメリットがあって、最終的にはこれを営業者であるあなたが選ぶことになります。
多くの場合は深夜酒類提供飲食店の手続きでやることが多いですが、
・ボックス席、ソファ席があってそこに一緒に座ることが多い
・カラオケのデュエットをすることが多い
・キャストさんが若い女性(もしくは男性)ばかり
・口説けそうな雰囲気、口説かれそうな雰囲気がある
この場合には最初から風俗営業許可を取って、深夜0時までもしくは深夜1時までの営業で売り上げが立つように計画を立てるのが無難です。
逆に、そこまでではなく、例えばママさんが一人で切り盛りするようなバーの延長の様なお店であれば深夜酒類提供飲食店でもいいことが多いです。
これについてはお店のスタイルで決めていくしかないですね。
開業前にしっかりと検討しましょう。
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