飲食店の”深夜営業”とは?

飲食店の売り上げで魅力的なものはなんといっても夜の時間帯ですよね。

なんといってもお酒の売り上げが望めますし、昼間の時間帯のランチやカフェなどの売上とはケタが違うことも珍しくないと思います。

寿司屋や牛丼店、ファミリーレストランなどの一般的な飲食店ではそうそう客単価に違いはないかもしれません。

しかしバー営業をするお店であればディナー以降の欄理の売り上げがほとんどなんてお店も珍しくないと思います。

 

今回のテーマは飲食店の深夜営業です。

一般的なバーやスナック、居酒屋、または専門料理店であっても深夜帯の営業をする場合は、保健所の許可に加えて別途手続きが必要になることもあります。

ここであなたのお店が深夜営業を始める際の手続きをしっかりとおさえてみましょう。

システムそのものはそんなに難しくはありませんが、実際に手続きをするのは結構難しいかもです。

 

飲食店の深夜営業とは?

二つのパターンに分かれている

飲食店と一括りに行っても様々なケースがあります。

実際には他の区分もありますが、おおむねこの三つの区分分けで99%の飲食店が分類できます。

 

・一般的な飲食店

これは文字通り飲み食いするお店ですよね。

お寿司屋さんとかラーメン店とかファミリーレストランなどを指します。

フレンチとかイタリアンなどの専門料理店もこの区分に分けられますが、例えば深夜帯はバー営業ということも少なくないと思います。

この場合は別途検討が必要だということになります。

 

・お酒を提供する飲食店

バーとか居酒屋、スナックとかもあります。

先ほどのファミリーレストランもお酒は置いてありますし、牛丼店だって飲もうと思えばお酒はあると思います。

ですが、一般的にはこれらのお店は食事をしに行く目的でお客さんはいきますよね。

だから「一般的な飲食店」と「お酒を提供する飲食店」で分けて考えています。

 

・接待を伴う飲食店

キャバクラとかホストクラブ、スナックも一部含まれると思います。

これらは飲み食いするよりも、おもに異性のキャストさんに会いたいとか話したいとかの目的の方が強いですよね。

この場合は接待を伴う飲食店に分類されることが多いです。

もちろん専門料理店もシェフに会いたくてお店に行くこともあるかもしれませんが、これは異性ではないし、お料理の腕を評価して愛に生きますので、このカテゴリーには入りません。

 

ここまでで「一般的な飲食店」「お酒を提供する飲食店」「接待を伴う飲食店」の三つに分けて考えました。

この三つの分類で飲食店の法律上の手続きはほとんどあてはめて考えることができます。

 

ここまでは結構簡単ですよね。

 

手続きが必要なお店とは?

これらの三つのお店は、すべて保健所の「飲食店営業許可」を得ないと営業できません。

ラーメン店であろうがガールズバーであろうが居酒屋であろうが、それ以前にそもそも飲食店だからです。

そして、これらのお店が深夜営業をする場合には、手続きが必要な場合と必要でない場合があります。

 

まず、一般的な飲食店の場合、これは特に手続きは必要ありませんので、保健所の許可だけで深夜営業もできます。

なお、この「深夜営業」とは法律上、深夜0時から朝の6時までとなっています。

 

次に接待を伴う飲食店ですが、これはそもそも保健所の許可に付け加えて警察署の風俗営業許可1号が必要なので、保健所の許可だけでは営業できません。

そしてこの風俗営業許可を取ってしまうと、営業時間は深夜0時、もしくは東京都などの一部の自治体の一部は深夜1時までとなっています。

そのため深夜営業はできません。

 

そして、今回のテーマの本丸の「お酒を提供する飲食店」は、そのままでは深夜営業はできません。

警察署に「深夜酒類提供飲食店」の手続きをしないといけないのです。

この深夜酒類提供飲食店の手続きは、保健所の許可を取ったうえで特別な図面や計算表を出して届け出をします。

結構手続きは難しいので、ご自身でやるのはやや難しいかもしれません。

 

 

深夜営業できないお店とは?

では、お酒を提供する飲食店であっても、どんなお店も深夜営業できるかと言われればそうではありません。

というのも、この深夜酒類提供飲食店の手続きは手続きができるお店とできないお店があるのです。

手続きができないというのは、そもそも窓口が受け付けてくれないということで、ということは深夜営業はできないということになります。

では、どのようなお店が深夜営業ができないのでしょうか?

その理由の一つ目が、お店の立地です。

例えば↑は東京都港区六本木の用途地域の地図ですが、このように場所によって色分けがされていることがわかると思います。

これは都市計画法という法律で定められた用途地域で色分けがされています。

このうち、ピンク色でも薄いピンクと淡いピンクがありますが、これは商業地域や近隣商業地域といって、繁華街などの用途で使うのがいいよねという地区です。

これらの場所は仕事がしやすかったり、人が集まりやすかったりする場所だということですよね。

深夜営業はこれらの場所ではできますので、まずは一安心です。

 

一方の、↑の図でも緑とか黄色の場所がありますが、これは住居地域といって居住区域として使うのがいいよねという場所です。

居住区域なのでできれば静かな方がいいし、ここにパチンコとかキャバクラが出店されると住民とすれば違和感を感じてしまいますよね。

深夜営業のお店はこの住居地域ではできないことになっています。

ここのエリアで深夜営業をしたいのであればラーメン屋とか寿司屋とかの、食事専門のお店にするということになります。

 

個室の大きさに注意!

また、立地で商業地域や近隣商業地域であったとしても、個室の大きさには注意が必要です。

というのも深夜酒類提供飲食店は一部屋の大きさが9.5㎡以下は認められないので、少なくともこれ以上の大きさの部屋にしないといけません。

9.5㎡と言ったら3メートル×3メートルですから、結構な大きさですよね。これを下回ると手続きできないということになります。

よく居酒屋でもバーでも小さな個室は喜ばれると思いますが、あれは本来は9.5㎡を下回ると深夜酒類提供飲食店としては適合しません。

どういうふうに手続きをしたのか、あるいは手続きをしないで深夜営業しているのか、不思議なところです。

 

一般的に、深夜営業で気を付けるところがこの用途地域と個室の大きさです。

これ以外にも、埼玉県であれば大家さんからの使用承諾書といって「深夜営業することを認めます」という紙が必要になります。

これがもらえないのであれば埼玉県では受けてくれませんので、深夜営業はできないということになりますよね。

 

まとめ

飲食店の営業は、現在は競争が極めて厳しくなっているので、売り上げは少しでもほしいのが本音だと思います。

この流れから深夜営業をしたいという気持ちになるのは当然ですし、普通の流れだと思います。

しかし、今回見てみた通り、深夜営業をするにあたっても

 

・手続きをしないでも深夜営業ができるお店→一般的な飲食店

・手続きはできないし、別の許可で営業をするお店→接待飲食店

・深夜営業できるけど、手続きが必要なお店→深夜酒類提供飲食店

 

の三つに分かれることが分かったと思います。

また、深夜酒類提供飲食店であっても、そもそもできない場所とか部屋の大きさとかがありますので、それなりに準備が必要だということになります。

 

 


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